【JT】ロシアが現地の会社3社を追加で一時管理下に、計7社 / 所有権は残るが経営権は事実上失う
関連記事:11月5日分「【JT】ロシア事業がロシア企業の一時管理下に、経営権を事実上失う / 外務省幹部が近く抗議する考え」
要点3行
- ロシアのプーチン大統領は11月6日、日本たばこ産業(JT)のロシアの資産を、ロシア企業の一時的な管理下に置く追加の大統領令に署名しました。新たな対象は、JT関連の会社3社の株式などです。
- 5日に管理下に置かれた工場など4社と合わせて、7社になります。この仕組みでは、持ち主である権利(所有権)は残りますが、経営する権利(経営権)は事実上なくなります。
- 日本政府は一連の措置に抗議し、撤回を求めています。
何が起きたか
11月5日分の記事でお伝えしたJTのロシア事業の件で、対象が広がりました。5日の大統領令で管理下に置かれたのは、工場など4社でした(時事)。6日の追加の大統領令では、さらにJT関連の3社の株式などが対象になりました(時事・共同・NHK)。新たな3社には、ロシア西部ヤロスラブリ州の「ペレスラブリたばこ」が含まれます(共同)。
大統領令によると、7社の資産は、いずれも同じロシアの企業が管理します。時事によると、ロシアの新聞コメルサントは、この管理企業がプーチン政権に近い人物と関係している可能性があると報じました。
ロシア外務省の局長は6日、今回の措置について、外国の敵対的な行為への「対抗措置」として設けられた特別な法的手段だと説明しました(共同)。日本政府は抗議し、撤回を求めています(共同)。JTが今回の追加の措置にどう対応するかは、確認した報道には書かれていません。
背景(なぜ今これが起きたのか)
この一時管理の仕組みは2023年に、欧米などロシアが「非友好国」とする国々がロシアの資産を凍結したことへの対抗策として作られました(時事)。
時事は、ウクライナ支援を続ける日本にロシアが反発し、日本への圧力を強めている流れの中にある、と伝えています。編集部は10月31日分で日ロ外相会談を、11月5日分で最初の4社の件を伝えました。最初の署名の翌日に対象が追加された形です。ロシア側が今回の狙いをどう説明しているかは、「対抗措置」という説明のほかには確認した報道にありません。
あなたへの影響
日本でのたばこの値段などへの影響は、報じられていない 日本でたばこの値段や品ぞろえが変わるといった話は、今回確認した報道にはありません。今回の件で、すぐに身の回りの買い物が変わるわけではなさそうです。
JTの株や、JT株を含む投資信託を持っている人 前回の記事でお伝えしたとおり、ロシア事業はJTの売り上げの約1割です。今回、管理下の会社が7社に増えたことが業績にどう響くかは、まだ報じられていません。気になる人は、SNSの見出しや噂ではなく、JTの正式な発表や決算の説明を確かめるのがよさそうです(編集部の提案です)。
海外とつながりのある会社で働く人 「会社の持ち主のままでも、経営は事実上できなくなる」ことが、数日のうちに対象を広げて起きました。海外の拠点や取引先を持つ会社では、相手国との関係の変化が自分の部署の仕事に響くこともある、と意識しておくきっかけになりそうです(推測)。
今後の注目点
- 日本政府の抗議と撤回の求めに、ロシアがどう応じるか
- JTがロシア事業について、どのような対応を示すか
- 管理を任されたロシア企業が、7社をどう運営するか
出典
- 時事通信(2026-11-07 19:37、19:50更新) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026110700447&g=int
- 共同通信(Yahoo!ニュース掲載、2026-11-07 18:25、19:12更新) https://news.yahoo.co.jp/articles/aa4f9562a94a645b08370b3edacccc682d91973b
- NHK(2026-11-07 19:19、11/8 0:02更新)(一部照合) https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261107de72211
