要点3行

  • サイバー攻撃による個人情報の漏えいが相次ぐ中、政府がまとめる「サイバーセキュリティ緊急対策パッケージ」の概要(原案)が11月5日に分かりました。
  • 柱の1つが「官民サイバー救援隊(仮称)」の創設です。被害を受けた企業などの要請を受けて官民の専門人材を送り、初動の対応を支えます。
  • 政府は6日の関係閣僚会議で、パッケージを決める(公表する)予定です。5日の時点では、まだ案の段階です。

何が起きたか

救援隊は、被害を受けた企業などから支援の要請があり、必要性や緊急性が高い場合に派遣されます(時事・共同・読売)。派遣先は企業などの組織です。派遣の調整をする事務局は、今年度内に置くとしています(読売・時事)。

パッケージの柱は、次の4つです(時事・共同・読売)。

  1. AIを使った基本的な対策の徹底
  2. 情報収集・分析などの体制強化
  3. 攻撃への戦略的な対処
  4. 被害者の支援と被害拡大の防止

ほかに、次のような内容も報じられています。

  • 高度な専門人材の「トップガン人材チーム」を月内に立ち上げ、攻撃のテストをして官民の対策を強める(時事)
  • 海外の大手IT企業や高性能AIの開発企業と協力し、システムの弱点(脆弱性)の情報を早く集める(共同・読売)
  • 重大な攻撃が起きたときは、サイバー室・所管省庁・警察・防衛省・自衛隊でつくる「ジョイントレスポンスチーム(仮称)」を送る(時事)

6日の関係閣僚会議には高市首相が出席する予定です(共同)。木原官房長官は5日の記者会見で、「世界最高水準のサイバーレジリエンス(回復力)を確保した社会へ移行する出発点にしたい」と述べました(時事)。

背景(なぜ今これが起きたのか)

時事は、最近の情報漏えいでは「基本的な対策が十分でなかった事例が多くみられる」とし、AIの進歩によって、こうしたすきが短時間で大規模に突かれる時代になったと伝えています。柱の1つ目が「AIを使った基本的な対策の徹底」になっているのは、こうした見方と重なるとみられます(推測)。

編集部でも、ここ最近は企業の情報流出を続けて伝えてきました。ただし、確認した報道は、特定の企業の件を今回の対策のきっかけとしては挙げていません。

あなたへの影響

今日から何かが変わる話ではない 5日の時点では原案で、決まるのは6日の予定です。救援隊の人数や予算は報じられていません。また、救援隊は企業などの組織に送られるもので、個人のところに来る仕組みではありません。

流出のあとの対応が早くなるかもしれない 救援隊は、攻撃を受けた企業の最初の対応を支えるものです。会社が早く原因と範囲をつかめれば、利用者への連絡や、パスワード変更などの呼びかけも早くなる可能性があります(推測)。私たちが会員になっているネットのサービスで流出が起きたとき、「いつ、何が漏れたか」が早く分かるようになれば、明細の確認やパスワードの変更にすぐ動けます。

自分でできる基本は変わらない 国の対策が進んでも、届いたメールやSMSのリンクを安易に開かない、同じパスワードをいくつものサービスで使い回さない、といった基本は自分で続ける必要があります(編集部の提案です)。会社から流出の連絡が来たときは、連絡の中のリンクではなく、公式サイトを自分で開いて本物か確かめると安心です(編集部の提案です)。

今後の注目点

  • 6日に決まるパッケージの中身が、原案から変わるか
  • 事務局がいつ置かれ、救援隊がどのくらいの規模で動き出すか
  • 4つの柱が、どのような予算や制度で進められるか