要点3行

  • 27日に投票が行われたイスラエル総選挙の開票結果を、中央選挙管理委員会が30日未明に発表しました。
  • ネタニヤフ首相の与党陣営は53議席、アイゼンコット元軍参謀総長が率いる野党陣営は48議席で、どちらも過半数(61議席)に届きませんでした。
  • アラブ系の2政党が計19議席を得て、政権づくりの鍵を握る存在になりました。

何が起きたか

イスラエルの国会は定数120で、比例代表制で選ばれます。ネタニヤフ氏の右派リクードは27議席で第1党を保ちましたが、前回の32議席から5議席減らしました。アイゼンコット氏の党ヤシャルは21議席でした。

アラブ系の2政党、ラアムとジョイントリストは合わせて19議席です。時事通信によると、アラブ系政党は前回の10議席からほぼ倍増しました。

主張と反論 時事通信によると、ネタニヤフ氏は29日、アラブ系政党が票の買収をしたと主張し、Xに「選挙が盗まれた」と投稿しました。これに対し、中央選挙管理委員会と、イスラエルの治安機関シャバクは、根拠がないと反論しています。編集部は、どちらの言い分が正しいかを判断する材料を持っていません。

背景(なぜ今これが起きたのか)

比例代表制のイスラエルでは、1つの党だけで過半数を取るのは難しく、いくつかの党が組む「連立」で政権をつくるのが一般的です。今回は、与党陣営・野党陣営のどちらも単独の陣営では足りず、アラブ系2党の議席が、どちらが政権をつくれるかを左右する形になりました。

AFPによると、今後の流れは次のとおりです。

  • 11月4日に、選挙結果がヘルツォグ大統領に正式に提出される
  • 大統領が各党の党首と話し合い、いずれかの党首に組閣(政権づくり)を頼む
  • 連立の交渉は難しく、数週間かかる可能性がある。政権をつくれなければ、再選挙の可能性もある

リクードは第1党のままで、連立交渉もこれからです。今の段階で、政権が代わるかどうかは決まっていません。

あなたへの影響

日本で暮らす私たちへの直接の影響は、今のところ大きくないとみられます。そのうえで、関係しうる点を挙げます。

ガソリン代・電気代とつながる可能性 日本は石油の多くを中東から買っています。中東の情勢に大きく関わるイスラエルで、誰が政権をつくるかは、原油の値段を通じて、ガソリン代や電気代に関わる可能性があります(推測。出典の本文に原油への影響は書かれていません)。同じ30日、日本銀行も今後の利上げを判断する材料の一つに「中東情勢による原油高」を挙げていました(日経新聞)。

数週間かけて動くニュース 連立の交渉は数週間かかる可能性があるとされています。11月4日からの組閣の動きに、ときどき目を向けておくとよさそうです。

今後の注目点

  • 11月4日の大統領への結果の提出と、大統領がどの党首に組閣を頼むか
  • アラブ系2党が、どの陣営とどう向き合うか
  • 連立がまとまるか、再選挙になるか
  • 票の買収をめぐる主張と反論が、どう扱われるか